日蓮正宗入門

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序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 1

一、釈尊一代の教え ー 五時八教 ー

インドに起こった仏教は、経典の内容や教義等が整理・体系化されないまま、中国に伝えられました。そのため中国では、どの経典がもっとも優れた教えなのかを判断する教相判釈(きょうそうはんじゃく)が行われ、南北朝(なんぼくちょう)の時代(5~6世紀)には、揚子江(ようすこう)の南に三家、北に七家の「南三北七(なんさんほくしち)」の十師が顕れました。それらは、釈尊の教えはすべて同じ内容であるとする「一音教(いっとんきょう)」や、あるいは内容に高低があるとする「三時教」「四時教」等の説を主張し、その判断基準に従(したが)ってそれぞれの学派を立てました。

これらの教判に対して、隋(ずい)の時代(6世紀後半)に出た天台大師(てんだいだいし)は、釈尊一代50年における説法の次第や教法の内容、教化の方法などを総合的に判釈した「五時八教」を立てて、一代諸経の勝劣浅深(せんじん)を明確にしました。
「五時」とは、釈尊一代の化導を説法の順序に従って、華厳時(けごんじ)・阿含時(あごんじ)・方等時(ほうどうじ)・般若時(はんにゃじ)・法華涅槃時(ほっけねはんじ)の五期に分類したものをいいます。

また「八教」は「化法(けほう)の四教」と「化儀(けぎ)の四教」とに分けられます。このうち「化法の四教」とは、釈尊の教えの内容を分類したもので、蔵(ぞう)教・通(つう)教・別(べっ)教・円(えん)教の四つをいい、「化儀の四教」とは、衆生を化導する方法を分類したもので、頓(とん)教・漸(ぜん)教・秘密(ひみつ)教・不定(ふじょう)教の四つをいいます。

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