日蓮正宗入門

日蓮正宗信徒・個人の運営で、「日蓮正宗入門」を紹介しています。

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 4

一、釈尊一代の教え ー 五時八教 ー

<八教>

◇化儀の四教

化儀の四教とは、釈尊一代五十年にわたる説法の形式・方法を、天台大師が頓教(とんきょう)・漸教(ぜんきょう)・秘密教(ひみつきょう)・不定教の四つに分類したものです。

頓教(とんきょう)

頓教の頓とは「ただちに」の意であり、仏が衆生の機根にかかわらず、大乗の教法をすみやかに説かれたことをいいます。 華厳時ではこの説法形式が用いられ、その内容は、円教(えんきょう)と別教(べっきょう)を兼ねて説かれています。

漸教(ぜんきょう)

漸教の漸とは「漸(ようや)く」と読み、「次第に進む」の意で、仏が衆生の機根に応じて浅い教えから深い教えと次第に誘引することをいいます。 この説法形式は、阿含時・方等時・般若時にあたります。
 
この漸教は、阿含時ではただ蔵教(小乗)のみが説かれ、方等時では小乗(蔵教)と大乗(通教・別教・円教)とを対比して説かれ、般若時では、円教に通・別のニ教を帯びて説かれました。

密教(ひみつきょう)

密教は秘密不定教ともいい、仏の説法を聴く衆生が、互いにその存在を知らず(秘密)、同じ教えを聴きながらもそれぞれ機根に応じて聞き方を異にし(同聴異聞)、その得益が一定しない(不定)という化導法をいいます。 この説法の方法は華厳時の一部や、阿含時・方等時・般若時にあたります。

不定教(ふじょうきょう)

不定教は顕露(けんろ)不定教ともいい、仏の説法を聴く衆生が、互いにその存在を知り、(顕露)ながらも秘密教と同じ同聴異聞であったため、衆生の得益が不定であるという化導法をいいます。この説法方法は前の秘密教と同じく、華厳時の一部や阿含時・方等時・般若時にあたります。


このように仏がさまざまな手段・方法をもって説法されたのは、衆生の機根を徐々に調えて真実無上の法華経に導き衆生の得脱をはかるためでした。 この法華経は、仏の悟りをそのままに説かれた純粋な円教(えんきょう)であり、また化法・化儀の八教を超越しているところから「超八醍醐(ちょうはちだいご)」といわれます。

shoshu-nyumon.hateblo.jp