日蓮正宗入門

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仏教の流転 インド仏教

仏教の流転 インド仏教中インドに起こった仏教は、釈尊入滅後、弟子たちの弘経によって徐々にインド全域に広まっていきました。その後、教団が大きくなるにつれて、そのなかで仏説を守る立場の上座部(じょうざぶ)と、自由主義的な大衆部(だいしゅうぶ)の…

三時の弘経―大集経の予言―

三時の弘経―大集経の予言― 釈尊は、自らの入滅後における教法の流布すべき「時」を大別し、正法・像法・末法という三つの時代があることを説かれています。 この正・像・末の三時の期間については、経典などによって種々の説がありますが、日蓮大聖人は『撰…

目次

序編 釈尊の仏教 第一章 釈尊の生涯 一、釈尊の出現以前二、釈尊の出現三、仏陀・釈尊四、釈尊の入滅 第二章 釈尊の教え 一、釈尊一代の教え - 五時八教 - 五時 八教 化法の四教 八教 化儀の四教 二、法華経 法華経の漢訳と題号 法華経の会座 - 二処三会 …

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 13

二、法華経 法華経の付嘱 - 別付嘱と総付嘱 - 釈尊は、自身の滅後における妙法弘通のために法華経において二つの付嘱を明らかにされました。付嘱とは相承・相伝と同義で、仏(師匠)が弟子に法を授けて、その法の伝持と弘宣を託すことです。 法華経の付嘱…

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 12

二、法華経 法華経の特長 本門の特長 - 久遠実成(開近顕遠(かいごんけんのん) - 釈尊は、爾前経や法華経迹門において、インドで誕生し三十歳で成道したという「始成正覚」の立場で法を説かれましたが、法華経本門の『寿量品第十六』において、「我実に…

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 11

二、法華経 法華経の特長 法華経の特長は、迹門において、爾前経では永久に成仏できないとされていた二乗の成仏が示されたこと、また本門において、インドに誕生した釈尊の本地が久遠にあったことを明かされたこと、さらに仏が衆生を化導する始終(順序)を説…

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 10

二、法華経 法華経の構成と各品の大意 ◇本門十四品 『従地涌出品(じゅうちゆっじゅっぽん)第十五』では、他方の国土より来集した迹化の菩薩たちが、釈尊滅後の娑婆世界(此土)の弘経を願い出ますが、釈尊はこれを制止して、大地より無数の本化地涌の菩薩出…

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 9

二、法華経 法華経の構成と各品の大意 ◇迹門十四品 『序品(じょほん)第一』は法華経二十八品の序分(総序)であるとともに、迹門の別序にあたります。 この品では、釈尊は大衆を前にして『無量義経』を説いた後、三昧に入られ、不思議な瑞相を現ぜられまし…

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 8

二、法華経 法華経の構成と各品の大意 法華経は一部八巻二十八品から構成されていますが、開経(かいきょう)の『無量義経(むりょうぎきょう)』一巻と、結経(けっきょう)の『観普賢菩薩行法経(かんふげんぼさつぎょうぼうきょう)』一巻とを加えて、「法華三部…

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 7

二、法華経 法華経の会座 - 二処三会 - 法華経の会座(説法の場所)について『序品第一』に、「仏、王舎城耆闍崛山(ぎしゃくっせん)の中に住したまい」(開結55)とあるように、法華経は中インドの摩竭陀国(まかだこく)の首都・王舎城の東北に位置して…

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 6

二、法華経 法華経の漢訳と題号 法華経の漢訳 法華経の原本は、インドの各地で発掘されていますが、これらはすべて古代インドの言語であるサンスクリット語(梵語)で書かれており、それぞれの内容に大小の違いがありました。また、それぞれの梵本に従って、…

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 4

一、釈尊一代の教え ー 五時八教 ー <八教> ◇化儀の四教 化儀の四教とは、釈尊一代五十年にわたる説法の形式・方法を、天台大師が頓教(とんきょう)・漸教(ぜんきょう)・秘密教(ひみつきょう)・不定教の四つに分類したものです。 頓教(とんきょう) …

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 2

一、釈尊一代の教え ー 五時八教 ー <五時> 華厳時 釈尊は、30歳のとき、中インド・摩竭陀国(まかだこく)の伽耶城(がやじょう)に近い菩提樹(ぼだいじゅ)のもとで成道した後、海印三昧(かいいんざんまい)という禅定(ぜんじょう)に入り、その境…

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 3

一、釈尊一代の教え ー 五時八教 ー <八教> ◇化法の四教 化法の四教とは、釈尊一代五十年の説法を、天台大師が教理内容の面から蔵教(ぞうきょう)・通教(つうきょう)・別教(べっきょう)・円教(えんきょう)の四つに分類したものです。 蔵教(ぞうき…

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 5

二、法華経 釈尊は成道を遂げた後、四十二年間の間、衆生の機根に応じて多くの経々を説きました。しかし、これらの諸経は「法華経」という最勝真実の教えに導くための”方便(権の教え)”であったと、釈尊は述べられています。すなわち法華経の『方便品第二』…

序編 釈尊の仏教 第二章 釈尊の教え 1

一、釈尊一代の教え ー 五時八教 ー インドに起こった仏教は、経典の内容や教義等が整理・体系化されないまま、中国に伝えられました。そのため中国では、どの経典がもっとも優れた教えなのかを判断する教相判釈(きょうそうはんじゃく)が行われ、南北朝(…

序編 釈尊の仏教 第一章 釈尊の生涯 4

四、釈尊の入滅 涅槃8年間にわたって法華経を説かれた釈尊は、自らの入滅(にゅうめつ)が近いことを悟り、摩竭陀国(まかだこく)を旅立って拘尸那掲羅(くしながら)(クシナーラ)に向かいました。拘尸那掲羅に着くと釈尊は、一日一夜の説法といわれる『…

序編 釈尊の仏教 第一章 釈尊の生涯 3

三、仏陀・釈尊 成道 苦行の疲労から体力を回復した釈尊は、伽耶城(がやじょう)近くの森のアシュヴァッタ樹(じゅ)の下に座し、49日間にわたって独(ひと)り沈思黙想(ちんしもくそう)を続け、心身にわき起こるさまざまな魔軍(まぐん)を降伏(ごう…

序編 釈尊の仏教 第一章 釈尊の生涯 2 

二、釈尊の出現 誕生 釈尊は紀元前1000年頃、釈迦族の中心地・迦毘羅衛国(かびらえこく)(カピラヴァストゥ)城主である浄飯王(じょうぼんのう)を父とし、摩耶夫人(まやぶにん)を母として4月8日に誕生し、幼名を悉達多(しったるた)と名づけら…

序編 釈尊の仏教 第一章 釈尊の生涯 1

釈尊(しゃくそん)とは、「釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」の略称で、「釈迦」とは種族の名称、「牟尼」とは聖者(せいじゃ)、「世尊」とは仏のことを指します。釈迦族出身の聖者・釈尊は、一般に「仏陀(ぶっだ)」と称され、これは真理を悟(さと)った…